工事の流れ

塗装業者による「建物状況調査」の点検結果

それでは、建物調査の結果を見ていきましょう
(うわあ、ドキドキする…)

屋根

まずは「屋根」の点検結果をみていきましょう。住宅の中でも最も雨風や紫外線に晒されやすく、劣化が進みやすいのが屋根です

 

鈴木様邸の屋根材は「亜鉛メッキ鋼板屋根、通称トタン屋根」でした。近年主流のガルバリウム鋼板屋根はトタン屋根にアルミ合金を加えたものになるので、やはりひと昔前の屋根材が使用されていることになります。

 

屋根材や雪止めに錆が発生しはじめています。

 

手で屋根材をこすると、錆汚れがべったりと付着します。屋根材のメッキや保護成分の機能が失われている証拠です。

現在はまだ致命傷とまではなっていませんが、このままメンテナンスを行わず放置し続けた場合、錆や腐食が広範囲まで拡大してしまいます。

 

上の写真は、鈴木様邸と同じトタン屋根の劣化が大幅に進行してしまった状態のものです。こうなってしまうと、もはや塗装では屋根の修復・保護は不可能になります。

鈴木様邸の場合、「正に今がメンテナンスの時期」と言えるでしょう。一度劣化が目立ち始めると、錆や腐食は一気に進行していきます。屋根は住宅を守る盾の役割を果たします。大切なお住まいを長持ちさせるために、屋根だけでも塗装をご決断させることを推奨致します
普段確認できない箇所だからあまり気にしてなかったけど、こんなにも劣化が進んでいたんですね…

 

庇(ひさし)

次は、窓や玄関上の「庇(ひさし)」です。屋根と同様に雨に打ち付けられ、経年劣化が表れやすい箇所になります

 

見ての通り、既に錆がかなりの範囲に拡大してしまっています。劣化が進み庇の金属材がめくれたり穴が開いてしまうのも時間の問題と言えるでしょう

このままいくと後1~2年で塗装で対応できる範囲を越えてしまう可能性があります。屋根同様、今後もお住まいになることを考えると早めの対応をおすすめします。
庇に関しては前からサビに目が付いていたので覚悟はしていました…。このまま放置すると修理にもっとお金が掛かってしまう可能性があるってことですよね

 

外壁

続いて、「外壁」の点検結果です。屋根・庇の次に雨風の影響を受けやすい場所になります。

 

鈴木様邸で使用されている外壁材は「亜鉛メッキ鋼板の金属サイディング」になります。エンボス加工(でこぼこの表面が施された加工)が特徴の「トーホー7.5(ナナハン)サイディング」という名称の材料が使用されていますね。

塗装を行う場合は、金属サイディングのため水性・油性の性質の違いにより、油性塗料での塗装が推奨されます。

 

一見目立った劣化は確認できませんが…

 

外壁の表面を手で軽くなでてみると、白い粉が手にびっしりと付いてしまいます。

これは「チョーキング現象」と呼ばれる現状で、外壁表面の塗膜成分が破壊・分解されたことにより発生している現象です。

外壁表面の保護機能が低下している状態になるため、サビやくすみ、苔の発生等の劣化が発生・進行しやすくなります。

 

部分的に金属サイディングにサビやコケ汚れが発生している箇所も見受けられます。これらが拡大すると外壁材の交換が必要になってしまう可能性があります。

今のところ顕著の劣化現象はありませんが、サビ等は一箇所の劣化から一気に症状が進行する恐れがあります。特に2階部分は足場をかけないと補修が難しいため、屋根と一緒のタイミングでメンテナンスを行うことをオススメします
確かに新築から30年間一度も塗装をしていない住宅だし、そろそろ手入れが必要なのかもなあ…

 

破風・鼻隠し

次は、屋根の先端に位置する「破風・鼻隠し」の劣化状況です。近年の住宅では金属製の部材が使用されることが多いですが、鈴木様低の場合は木製の破風・鼻隠しが使用されていました。

 

築20年以上経過している年代の建物では木製の破風・鼻隠しが使用されているケースが多いです。新築時は防腐剤や防水塗装が施されているため雨に対する耐性もありますが…

 

防水効果が切れた木製の破風・鼻隠しは水分を吸収するようになり、吸収→乾燥しながら木材が収縮を繰り返えします。その結果、木部に割れ目が発生したり、スカスカになって強度が下がったり、劣化現象が発生し始めるのです。

鈴木様邸の破風・鼻隠しも木材の劣化が表れ始めています。木部用の塗料を使用し木部の保護成分を復活させてあげないと、いずれは部材交換の修理対応が必要になってしまいます

 

雨樋(あまどい)

続いて、「雨樋」の点検結果になります。鈴木様邸の場合、金属製の雨樋が使用されていました。

 

樋本体や固定バンド部分に色あせが目立ちます。

 

一部サビが発生してしまっている箇所があります。

雨樋には変形や破損個所もなく、交換が必要なレベルではありませんが、部分的にサビが発生しはじめています。やはり、長期的に住まわれることを考えれば塗り替えのタイミングと言えるでしょう。

 

軒天

次は、「軒天」の点検結果になります。軒天は屋根や庇に守られている箇所のため、比較的劣化が表れにくい箇所になります

 

屋根部分の軒天の写真です。顕著な劣化は確認できません。

 

 

庇周りの軒天の写真です。こちらもキレイな状態と言えるでしょう。

軒天は雨風に当たることが無い部分のため劣化は見られませんでした!周囲の塗装と合わせて軒天も塗装するのが一般的ですが、予算に限りがある場合は無理に塗装を行わなくてもいいでしょう
なるほど!同じ家の外装でも部位によって影響を受けにくい箇所もあるんですね!

 

戸袋・雨戸

続いて、「戸袋・雨戸」の点検結果です
雨戸なんて今までほとんど使ったことが無かったけど…どうなっているんだろう?

雨戸を格納する「戸袋」の枠部分はアルミニウム製のため目立った劣化はみられませんでした。

 

ただ、戸袋の表面は金属部分はチョーキングが出て来ています。屋根・外壁の場合と同じで劣化のサインになるので、この部分は塗装を施した方がいいでしょう。

 

雨戸事態はすごくきれいな状態です、塗装の必要は無さそうですね!
実は、雨戸は新築から30年まともに使ったことがありませんでした。キレイなのは当たり前ですね…

 

要防水シーリング部

最後に「シーリング部」の点検結果です
??シーリングってなんのこと?

外壁と玄関ドア枠・窓枠・庇などのつなぎ目部分にはどうしても隙間が発生してしまいます。

その隙間から水が回り込むと、建物内部の構造にダメージを与えてしまう恐れがあります。

建設用語では、隙間部分に防水材を充填し、漏水を防止するために行う防水工事を「シーリング」と呼んでいます。

「シーリング」は建物を守るために重要な防水工事になります。シーリング材も経年による劣化が進行するため、通常は塗装と同じタイミングで点検を行います。上の写真の玄関ドア枠周りのシーリングも、硬化・収縮といった劣化症状が現れ始めています。

 

庇の側面のシーリングはひび割れが発生しています。もはや防水機能は失われているため、この部分から水が入り込めば庇の内部から劣化が進行してしまいます。

 

鈴木様邸では、庇上部にシーリングが施されていませんでした。庇の勾配があるため落ちた雨水が直接流れ込むことはありませんが、防風雨が吹き荒れるような時は水が浸入してしまいます。

普通の住宅では、庇と外壁の間にはシーリングを施すのですが…新築時の業者が忘れていたのでしょうか。塗装をする場合、この部分は必ずシーリングを行いましょう
ひえ~~!そんなことになっていたなんて…

 

住宅点検結果の総表

以上が鈴木様邸の住宅点検結果になります!鈴木様邸の現在の状況を一言で申し上げると「住宅を長持ちさせるためには今が塗装のベストタイミング」だと言えるでしょう

今回点検させていただいた箇所で特に気がかりなのは、「屋根」、「庇(ひさし)」の劣化状況です。

これらの箇所はサビやくすみといった劣化状況が顕著に現れています。

現在は塗装を行うことで対処・保護を行うことが可能ですが、これ以上放置をすると塗装以上に大掛かりで費用のかかる「交換・修理工事」が必要になってしまう恐れがあります。

破風や鼻隠しといった木製の構造部分の劣化も現れています。今後も長く同じお住まいで居住していくことを考えると、築30年程度経過したこのタイミングで一度メンテナンスを行っておくことが得策と言えるでしょう。
なるほど。今まで何も問題が起こらず住めていたから意識しなかっただけで、新築から30年経つうちに気付かない場所で劣化が進んでいたんですね…。
…これから一気にガタが来る可能性もあるし、やっぱりメンテナンスを考える必要がありそうだなあ…

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