

シリコン塗料は最も普及している外壁用塗料
塗料の主要成分である「樹脂」にシリコンが使用されているものを「シリコン塗料」と呼んでいます。
前述したように、シリコン塗料は現在最も普及している外壁用塗料です。
10年ほど前に、日本ペイントから「水性シリコンセラUV」という外壁用シリコン塗料が発売されたのを皮切りに、それまで主流だったウレタン塗料に取って変わる形で一気に普及が進みました。

耐久性に優れ、扱いやすく、価格もリーズナブルな万能塗料

昔の塗装現場での苦労
- 耐久性を高めようと「水性」→「油性」の塗料を使えば作業性が悪化
- 作業性を重視し「油性」→「水性」の塗料を使えば耐久性が不足
- 耐久性と作業性の良い材料はコストが高い
しかし、「水性シリコンセラUV」をはじめとする近年製造されているシリコン塗料は、これらの苦労を一挙に解決してしまいました。
作業性の良い水性塗料であっても10年以上と高い耐候性能を持ち合わせていて、しかもリーズナブルな価格で生産・販売されるようになったのです。

耐久性 | 材工費 | 特徴 | |
---|---|---|---|
![]() アクリル塗料 |
![]() 5~7年 |
1,000~1,200円/㎡ | 耐久性が低いため外装用としては殆ど使われていない。金額が安く室内向けの塗料として主流になっている |
![]() ウレタン塗料 |
![]() 7~10年 |
1,200~1,600円/㎡ | ひと昔前の外装用主流塗料。溶剤(油性)系ウレタンの場合、水性シリコン塗料に近い耐久性を持ち合わせている |
![]() シリコン塗料 |
![]() 10~12年 |
1,600~2,000円/㎡ | 現在の主流塗料。水性シリコン塗料は扱いやすく耐久性も優れているので、日本中の多くの塗装現場で使用されている |
![]() ラジカル塗料 |
![]() 12~15年 |
2,000~2,500円/㎡ | シリコン塗料よりさらに耐久性が優れている塗料。価格の低下により、シリコン塗料に迫る勢いが普及が進んでいる |
![]() フッ素塗料 |
![]() 15~18年 |
3,500~4,000円/㎡ | 外装用塗料の中でトップクラスに性能が良い塗料だが、価格が高いため一般住宅用の塗料としてオーバースペック |
「水性」シリコン塗料は鉄部の塗装には適さないため注意


シリコン塗料で最も人気がある「水性シリコンセラUV」ですが、製造元である日本ペイントの公式サイトを確認すると、以下のような記述があります。
適用下地:窯業サイディングボード・コンクリート・モルタルなど
対象/部位 | 外壁 | 屋根 | 鉄部 | 木部 |
---|---|---|---|---|
戸建住宅 | ◎ | × | × | × |
マンション | ◎ | × | × | × |
◎:最適 ○:適 △:可 ×:不適
つまり、水性シリコン塗料は「窯業系外壁(現在主流となっているセメント質外壁)」以外には塗る事が出来ない、ということです。
基本的に、シリコン塗料に限らず水性塗料は金属や鉄部に塗装には不向きで、塩化ビニル製の樋等にも塗る事ができません。そのため、外壁以外の付帯部は「油性塗料」で塗装をすることがほとんどです。
シリコン塗料と一言で言っても、厳密に言えば「水性・油性」の違いであったり「1液・2液」の違いで性塗装可能箇所や性能も変わってきます。
知識が無い業者やいい加減な業者の場合が、どこもかしかこも水性シリコン塗料で塗装してしまい、金属部分が数年後に剥がれてきてしまった…。等というトラブルも時々耳にします。


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シリコン塗料の特徴まとめ
- 水性シリコン塗料は耐久性に優れ、扱い安く、コストも安い
- 水性シリコン塗料は現在最も外壁塗装で使用されている塗料
- ただし水性シリコン塗料は鉄部に塗装できないので要注意
