

ラジカル制御技術により優れた耐久性を実現した塗料
他の塗料の場合、塗料の主要成分である「樹脂」の種類が塗料の名称になっている場合がほとんどです。
しかし、ラジカル塗料に限っては意味合いが違ってきます。ラジカルと呼ばれる樹脂は存在しないからです。
ラジカルとは、樹脂を劣化させる電子反応の事を指し、一言でいえば「経年劣化の原因」です。塗料の着色顔料に含まれる「酸化チタン」が紫外線等を吸収することで、ラジカルが発生してしまいます。
ラジカル塗料は「樹脂+ラジカル制御剤」のハイブリット塗料
ラジカル塗料の場合、アクリル樹脂、シリコン樹脂のような従来の塗料に含まれている樹脂に加え、「ラジカル抑制剤」が含まれています。

ラジカル塗料で作られた塗膜はチョーキングが発生しにくい
上の写真は、ラジカルの発生により塗料内の樹脂が壊され、チョーキング(塗膜が崩壊・分解され表面に白い粉が現れる現象)が発生している状態です。
チョーキングの発生は塗膜劣化のサインであり、塗料の保護成分が機能していない事を表しています。

「シリコン塗料」と「ラジカル塗料」はどっちがオススメ?

シリコン塗料からラジカル塗料に流行が移り変わりつつある
現在、外壁塗装において使用される塗料のほとんどが「シリコン塗料」か「ラジカル塗料」になっています。
今はまだシリコン塗料が使用されるケースの方が多いですが、塗料の新製品が発売されたり、より低コストで塗料を生産可能な技術が開発されたりし、だんだんとラジカル塗料の仕入価格は低下してきています。
シリコン塗料よりラジカル塗料の方が耐久性能は優れているため、すでに塗装業者はラジカル塗料を積極的に採用するようになっています。シリコン塗料とラジカル塗料のシェアが逆転するのは時間の問題と言っていいでしょう。
ですから、今後間違いなく主流となっていく「ラジカル塗料」で塗装をすれば、費用対効果や品質の面で後悔をすることは無いと断言できます。

低予算に抑えたい場合「シリコン塗料」でも品質に全く問題は無い
ラジカル塗料のコストが低下してきているとはいえ、現在のところ業者によって差異はありますが、1㎡辺りの塗装単価はシリコン塗料が「1,600~2,000円」、ラジカル塗料が「2,000~2,500円」程度掛かります。
一見すると大きな差は無いように思えます。しかし、一般的な40坪程度の土地の戸建て住宅の場合、屋根外壁を合算した「250㎡」程度の塗装面積を塗装した場合の金額の差を考えてみましょう。
1㎡塗装単価に当てはめると、シリコン塗装の場合「400,000~500,000円」、ラジカル塗装の場合「500,000~625,000円」と、塗装費用だけで10万円以上の差が出てしまいます。
当然、価格差は建物が大きく塗装面積が広くなるほど広がっていくため、大規模な住宅にお住まいの方ほど、シリコン塗料での塗装を選択する傾向にあります。


耐久性 | 材工費 | 特徴 | |
---|---|---|---|
![]() アクリル塗料 |
![]() 5~7年 |
1,000~1,200円/㎡ | 耐久性が低いため外装用としては殆ど使われていない。金額が安く室内向けの塗料として主流になっている |
![]() ウレタン塗料 |
![]() 7~10年 |
1,200~1,600円/㎡ | ひと昔前の外装用主流塗料。溶剤(油性)系ウレタンの場合、水性シリコン塗料に近い耐久性を持ち合わせている |
![]() シリコン塗料 |
![]() 10~12年 |
1,600~2,000円/㎡ | 現在の主流塗料。水性シリコン塗料は扱いやすく耐久性も優れているので、日本中の多くの塗装現場で使用されている |
![]() ラジカル塗料 |
![]() 12~15年 |
2,000~2,500円/㎡ | シリコン塗料よりさらに耐久性が優れている塗料。価格の低下により、シリコン塗料に迫る勢いが普及が進んでいる |
![]() フッ素塗料 |
![]() 15~18年 |
3,500~4,000円/㎡ | 外装用塗料の中でトップクラスに性能が良い塗料だが、価格が高いため一般住宅用の塗料としてオーバースペック |
ラジカル塗料の特徴まとめ
- 「樹脂+ラジカル制御剤」が主成分になっている従来とは違った仕組みの新型塗料
- ラジカル制御剤が塗膜の劣化原因を根本から防ぐため、今までにない高耐久性を実現
- 生産コストが下がってきて、外壁塗装用塗料として爆発的に普及が進んでいる
