

高級な塗料≠仕上がりが良い塗料



塗料の色合いを決めているのは「着色顔料」になります。塗料の種類によって、使用される「樹脂」や「溶剤」が変わるため、塗料の耐久年数に違いは出てきます。
しかし、塗料の種類が変わったとしても、色合いを決める「着色顔料」はどのグレードでも同じ材料が使用されます。したがって、塗料の種類によって仕上がりに大きな違いが出ることもなければ、高級な塗料を使用したからといって、塗装直後の仕上がりが一番よくなるワケでも無いのです。


金属部は油性塗料の方がキレイに仕上がる
まずは上の写真を見てみましょう。どちらもラジカル制御塗料として売り出されている日本ペイントの「パーフェクトシリーズ」の塗料です。
見本板の色は当然どちらも「ND-281」の同色で作成されています。しかし、水性塗料のパーフェクトトップは塗料を吹き付けした時のゆず肌模様が残ってしまっています。
その一方、油性塗料で仕上げたファインパーフェクトトップはムラなく平坦に塗膜が仕上がっています。
仕上がりに差が出る原因は、水性塗料と油性塗料のレベリング性の違いにあります。油性塗料は水性塗料と比べてゆっくりと時間を掛けて乾燥をしていきます。
塗膜の形成に時間を掛ける分、塗装面にしっかりと均一に塗料が密着し、水性塗料と比較して仕上がった際にムラが出にくくなるのです。

ただし、外壁塗装のケースでは、多くの住宅ではもともと凹凸のあるデザインの外壁が採用されていることが多いです。塗装面がデコボコ柄の場合、使用する塗料が水性でも油性でも仕上がりに差のに影響はしないので、水性・油性塗料の違いは問題になりませんのでご安心ください。
一方、平坦な金属サイディングや鉄部への塗装は、水性塗料の使用はNGとされています。


まとめ
- 塗料グレードの違いによる色あいの差は無い
- 水性・油性では仕上がりの違いがあるため、色あいが違ってみえることもある
- 元々凹凸のある箇所に塗装を行う場合、水性・油性でも仕上がりや色合いに差は出にくい
外壁塗装においては高級な塗料ほど仕上がりが良くなるということはありません。ただし、平坦な面、金属・鉄部に水性塗料で塗装う場合は、ゆず肌模様や刷毛目が現れやすくなります。その場合、油性塗料で塗装をした場合と比較するとどうしても見た目が悪く見えてしまいます。
