

現在、アクリル塗料は塗装工事ではほぼ使われていない
塗料の主要成分である「樹脂」にアクリルが使用されているものを「アクリル塗料」と呼びますが、現在は外壁塗装の現場で使用されることはほとんどありません。
その理由は、現在主流となっている外壁塗装用塗料と比較すると、アクリル塗料の耐久年数が極端に低いためです。

耐久性 | 材工費 | 特徴 | |
---|---|---|---|
![]() アクリル塗料 |
![]() 5~7年 |
1,000~1,200円/㎡ | 耐久性が低いため外装用としては殆ど使われていない。金額が安く室内向けの塗料として主流になっている |
![]() ウレタン塗料 |
![]() 7~10年 |
1,200~1,600円/㎡ | ひと昔前の外装用主流塗料。溶剤(油性)系ウレタンの場合、水性シリコン塗料に近い耐久性を持ち合わせている |
![]() シリコン塗料 |
![]() 10~12年 |
1,600~2,000円/㎡ | 現在の主流塗料。水性シリコン塗料は扱いやすく耐久性も優れているので、日本中の多くの塗装現場で使用されている |
![]() ラジカル塗料 |
![]() 12~15年 |
2,000~2,500円/㎡ | シリコン塗料よりさらに耐久性が優れている塗料。価格の低下により、シリコン塗料に迫る勢いが普及が進んでいる |
![]() フッ素塗料 |
![]() 15~18年 |
3,500~4,000円/㎡ | 外装用塗料の中でトップクラスに性能が良い塗料だが、価格が高いため一般住宅用の塗料としてオーバースペック |
現在はウレタン、シリコン、ラジカルの3種塗料が主流
上の図をの通り、現在は外壁塗装工事においてシリコン塗料、ラジカル塗料が使われることが殆どです。この2種の塗料であれば、品質に問題は無いと言えるでしょう。

アクリル塗料を提案してくる業者は要注意
悪質な業者
アクリル塗料は外装用塗料の中では最も材料代が安い塗料になります。そのため、悪質な業者は顧客の無知に付け込んで耐久年数が低いと分かっていながらアクリル塗料での外壁塗装を提案してくる場合があります。
そういったケースでは、見積書の仕様欄に「水性ケンエースグロス」等と、アクリルと記載が無い塗料名を使用することが多いです。「水性ケンエースグロス」はアクリル塗料のため、外壁塗装で使った場合5~7年と非常に短い期間で塗膜の劣化が始まってしまいます。

進歩がない業者
アクリル塗料は10~20年前までは外壁塗装でもよく使われていました。塗装業者は何十年も前から営業している業者も少なくありませんから、昔からやり方が変わっていない進歩のない業者は、未だに外壁塗装でアクリル塗料を使用している場合もあります。

アクリル塗料は室内用塗料としては優れている

- 作業性が良い(ムラが出にくく仕上がりが良い)
- 臭気が少なく人体への害が無い
- 塗料の材料価格が安い
つまり、アクリル塗料は「安く」、「扱いやすく」、「仕上がりが良い」塗料なんです。
アクリル塗料の最大の欠点は耐久性が低い点ですが、直接紫外線等に晒される事の少ない室内環境では塗料の通常より長持ちします。
そのため、アクリル塗料は室内リフォーム用塗料として今も重宝されているのです。

アクリル塗料の特徴まとめ
- アクリル塗料は外壁塗装においてはほぼ100%使われていない
- 材料代が安いため、悪質業者が自分達の利益を確保する目的で使用することがある
- 室内用塗料としては安く仕上がりも悪くないため使用されることが多い
